how to being as a human 意外な多産性の演出法① 「告白」しないで「好き」と伝える

人は人である。だから何もかも本能のままには行動しない。人は動物ではない。だが本能に完全に抗うことは出来ない。人の人に対する好きという感情も、本能が無ければきっと無い。だがその感情にストレートに従うかどうかを人は理性でコントロールしている。でなければ誰彼構わず好きと言いセックスに溺れ社会生活を破綻させてしまうのかもしれない。逆に言えば、相手の理性により好きの対象に選んでもらう工夫をすることも可能性としては出来ると言える。社会的に安心してこの相手に好きと言えると、理性で判断させる工夫を、本能に抗えなくさせる工夫と定義してもいいくらい、実はその二つは渾然一体なものでしかなく、故に、結局、美男美女がモテる、だの、否、努力次第でモテは作れるだのといった世論が錯綜することになる。

女性の男性に対する好きという感情には、男性の女性に対するそれに比べると随分、理性のフィルターがかかりやすいと男性には見えやすい。性対象の広さで言えば、男が誰彼構わずセックスしたがる度合いを女性は理解できないだろう。ほとんどの風俗が男性向けで、ポルノコンテンツの需要層もほぼほぼ男性を占めている。だが本能という観点で見れば、男が発情せずに女性を好きにはならないように、女性も全く発情させられることなしにその男性を選ぶことはないだろう。だが常に発情しているような男の側にはどう女性を発情させればいいのかが分からない。結果、闇雲に告白してみたり、開き直って金に物を言わせてみたり、ひたすら自分の思う男女共通で面白いことを言いまくろうとして滑りまくったりしながら、それでも成功しているイケメンを見て結局顔かよと僻み絶望してしまったりするのだろう。確かに、本能レベルで、ただそこにいるだけで女性を魅了しやすい男、というものも要素としてはありうるが、しかしイケメンでもモテない男もいるしイケメンでないのにモテる男もいる、その現実が分からないと嘆く前に、そもそも男である自分と、女性である相手とでは違う生き物であることを受け入れて、この現実に対し何をしなければならないか、何を知らなければならないか、を知ろうとし行動しようとする努力を怠ってはいけないことは言うまでもない。

女性は「モテる男」が好きだ。と言ってしまうと身も蓋もなく聞こえるが、まず、ただ一回でもいいからセックスがしたいというだけで自分が相手のことを好きになっていると考える男と女性は違うので、女性にとっての好きという感情の中に、たくさんの男から求められているであろう男が私を選んでいるという事実、そのものに対する誇らしい気持ち、が、混じることは当然だと理解しよう。それが男のモテる要素と言われている「男の多産性」の正体だ。富、名声、力を兼ね備え、誰からも羨ましがられるような、また多くの人間からこの人と関わりその恩恵を受けたいと思われるような、誰に分け与えても有益なリソースを持っているような、そんな人気者が自分を選んでいるという事実そのものに女性は発情すると言ってもいい。そしてその多産性の演出が相手の理性への訴えかけであるとするならば、そう演出された多産性に騙され相手を好きになってしまうのは女性の本能であるとも言える。つまり、実際に巨万の富を持っていたり、たくさんの女性から求められてきた過去があったり、もちろん、誰が見てもイケメンであったりするような、そういったモテる根拠が必ずしも必要なのではなく、そういう風に自分を見せることが出来ればいいということだ。そして、そのように、自分がまるでいい男であると、自分に思い込ませ、そうであるという自信を持った状態で女性と接する、その努力をしない状態で自分を卑下しながら卑屈になりながらそれでも何とかセックスだけでもさせてくださいというような媚びを売るような態度が、最も男としての魅力が低い人間の態度だ。相手を知ろうとする努力も自分を改善する努力もしようとせずそもそも何から手を付けていけばいいのかもわからない状態でそれでも手っ取り早く自分の性欲だけは満たしたい、という目先のエゴにだけは踊らされてしまっているというような。自己卑下など他人に訴えてどうする。何をどうしてもらおうとしている。相手はお前に美味しくないと言われ出された料理をお前にまるで美味しいかのように食べてあげればいいとでもいうのか。自分を卑下してしまうなら自信を付ける努力をすればいいだけ、それでも結果が出ないなら武器を持たずに戦場へ出ればいいだけ。

自分の人生を引き受けてない人に人が付いてくるはずがない。皆自分に自信がなくて、自信を持ちたくて、自分は自分のままで生きていていいんだという自尊心を満たして欲しくて満たしてあげたくて、頑張っている。

目の前の女性がたとえ今の自分にとっては残り一人の可能性であっても、その人に対してそのような執着を見せてはいけない。実際に女なんて星の数ほどいるのだし、そう思い込んでいる状態が、そう思い込むことで自分が楽になること以上に相手にとって自分を好ましい男に見せる上で重要だからだ。そして、そういうような余裕のある、いろんな人から求められるような男が自分を求めているという事実が女性を満たす上で重要だし、自分をそのように見せようとしないことは、そのまま相手の人生に無駄な時間をもたらすような侮辱的行為であり自尊心の破壊そのものだからだ。

そしてモテる男は告白なんかに心を込めない。「可愛い」とか「好き」とか、それを意地でも、セックスがしたいという自分の目的が叶うように、そのタイミングを見計らい、声のトーンをわざと低めに設定し、などと嗜好を凝らさない。凝らす必要がないからモテる男はモテる男なのだから。

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